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ヘンリエッタにはそれが解った、理由までは言葉に出来ないが。
「お前の騎士は膝をついた、どうするクリプトドラゴン」
ドラゴンスレイヤーであるファーヴニルを持つ右手を伸ばして問う。
戦いを見ていた者達が戦慄を覚える、あのエンシェントドラゴンを圧倒する人間が居ることに。
そしてそれがファティマの国家元帥を名乗った事実に。
白地に青の服装、聖堂騎士長である男が間に入る。
「初めまして、私は聖堂騎士長アレックス・ヘロヴェルタと申します。マッケンジー殿にお伺いしたいことが御座います。このような場ではありますが一つだけよろしいでしょうか?」
場違いも甚だしい、だがファーヴニルを下げると応じた。
「構わぬ」
「有難うございます。貴殿はトバリ殿の主でしょうか?」
トバリが何者か、それを知る者は片手で数えられる程しか居ない。
まさかの名前が出てきて興味を持つと、聖堂騎士長に歩み寄る。
「いかにも、我が盟主だ」
探し求めていた全てが目の前に在る、最悪の形で。
「私達は貴殿の協力を得たいと考えます」
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