君と私の道中劇

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◇  王都であるフレスゲンは厳重な警戒が行われていた。  戦争中なのだ、当然いつもより厳しい体制が取られている。 「その首、乗っけてもダメかな?」  デュラハンの兜首を上手い事そうしたとしても、異様さが無くなるわけでない。  そういう解決策は無理な相談だ。 「あなたは外で待っていていただけますか」 「御意」  ヘンリエッタが非常にまともな判断を下す。  流石にそれが妥当だと受け入れたようで、四人でフレスゲンの大門を潜る。  入城に際して身分証明を求められた。 「アルとアンジーのは大丈夫かな?」 「そうですね、ファティマ連邦と戦争中ですからね」  さてどうしたものかと考えてみたが、聖マリーベル教が破門とまではいわないが、指名手配している二人だ、敵の敵は味方と入城を許可された。  もしフレイム王国に助力するつもりがあるなら取り成しをする、そんな一言まで添えられて。  市内でどこにいるか、定期の報告を義務付けられはしたが通過滞在を許可される。 「で、エッタはそんなのあるわけないわよね?」
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