君と私の道中劇

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「終身だから有効でしょ? ま、いいじゃないの」  これで大手を振るって市中を歩けると笑っている。  二人と合流すると「これはこれは王女様」などとアンジェリナが面白がる。  とは言えそうだと言われたらそう見える、ヘンリエッタは気品があるから。  物騒な王女であることは否定しない、あまり迂闊な発言をするなといったところだろう。 「それでどうするつもりですの?」  無理してまで入城したのだから何となく寄っただけではないはずだ。 「どうなるか解らないけど、ファティマが崩壊したら覚醒させるのも色々面倒になるかも知れないのよ。だからフレイムを抑える為に少しね」  滅亡寸前だったファティマ連邦を助けたのはアレックスの話を聞く前だ。  本当の理由が別にあるのは皆がすぐに気づく。  だからとフラ以外に今のところこれといった望みも無いので抗議も出来ない。 「私達は何をしましょう?」 「王女の護衛役かな、でもそれだけじゃなさそうね!」  こうなったからには状況を楽しもうとするアンジェリナ、覚悟を決めた人間は強い。
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