君と私の道中劇

18/30
前へ
/170ページ
次へ
「モノ申す護衛役ってところね。エッタはそうね……悲し気な表情とか織り交ぜていたらそれで良いわ」  悪い微笑みを浮かべてる。何かいたずらを思いついた子供のようだ。 「あたしらこの恰好でいいのかな?」  聖マリーベル教団はここフレスゲンにもある。みつかれば何かしらの反応があるだろう、それが邪魔になるかもと懸念する。 「信仰を偽ることは無いわ。でもちょっと立場を偽装するのは必要ね」  アレックスがうんと言わないだろうし、そうはさせたくないとフラは考える。  左手を顎に当てて目を細める。  城内を大きく一望した。 「傭兵登録をするギルドへ行くわよ」  何の説明もない、けれども三人もそれを求めない。  連れだってギルドの門を潜る。その場に居た者達の視線が注がれた、ただ者ではない二人が居ると注目を集める。  顔を知っているわけでは無いが、立ち振る舞いで強さの一端を知る。  そしてアレックスが手にしている黒い槍、とてつもない存在を醸し出しているのだ。もちろんアンジェリナの腰にある剣も。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加