君と私の道中劇

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「ハロー、傭兵団の登録をしたいんだけど。どうやるのかしら」  フラが代表で受付に話しかける。紙を数枚差し出してきて説明を始める。 「こちらにそれぞれの方の書き込みを。それと代表者のお名前をこちらに。団名などもお願いします」  それぞれに用紙を渡す、ヘンリエッタは証明の都合上エッタ・フレイムで記入をした。何とも綺麗な文字だ。 「団名どうしよっかな、アンジー何かある?」 「そうね……」  皆を見てもこれといった共通点は無い。思い入れがあるような名前も特にない。 「HAFAハーファ、それぞれの頭文字。聖書に出てくるような古い言葉で、維持するって意味。国の状態を維持する為に作る傭兵団なのよね」  古代文字、フラやヘンリエッタすらも知らない遥か大昔に使われていた言語だ。 「遠く海を渡った先、船でこの大陸にやって来た者が残した言葉ですね」  はっきりとはしないが西方、それも北の寒い地域からのものらしい。  博識をみせる二人、流石聖堂騎士といったところだろう。 「ハーファですの。何か不思議な響きですわね」
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