君と私の道中劇

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「良いわね、じゃあそれで決まり!」  受付に申請する。総勢四名、団長はエッタということにしておく。  団旗は緑色のリボン。それには皆が苦笑する、あっても無くても良い旗なのでそのまま飲み込んでしまったが。 「一つあたしからプレゼントよ、緑の外套を買いにいきましょ」  装いの統一、服装は今までのままなので属性の追加と割り切る。  緑地に銀糸の刺繍、これといった装飾は無し。シンプルなものを四つ新調する。 「たまにはこういうのもいいよね。アレク、どうかな?」  くるっと回って見せる。それを見てニッコリと「似合っていますよアンジェリナ」優しい言葉をかけた。 「ははは、そっか、ありがと」 「お熱いことで。式には呼んでよね」  すぐに茶化す人がここに居た。急に黙ってしまい下を向く、からかいがいがあるというかなんというか。 「次はどうするんですの?」  団長様も緑の外套に身を包み首を傾げている。 「国っていうのは一枚岩にはなれないのよね。ってことで反主流派のところに遊びに行きましょう!」  とんでも発言をするフラ、幸か不幸かそれを諫めるような者はこの場には居なかった。
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