君と私の道中劇

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「んー光の加減であれだけど、来るかなーって」  全くの意味不明、会話のキャッチボールがなっていない。  気になってアンジェリナも外を見るが、花が咲いている庭が見えるだけで他は何も変わったものが目に入ることは無かった。  ノックがあり先ほどの家令が入って来た。 「お飲み物をご用意いたしました。主人はもうすぐ来られますので、もう少々お待ちくださいませ」  紅茶を振る舞われる。リラックス出来るよい香りが部屋いっぱいに広がった。 「あ、これ美味しい!」 「ペシャワール・ド・グランデですね。良い茶葉を使っていますね」  一口で銘柄まで当ててしまう、アレックスも結構な紅茶通だった。 「ほらエッタも飲みなさいよ」  ガレットを口にしながらフラが勧める。 「はい……」  元気がない、それも仕方ないだろうか。菓子を紅茶で流し込みカップを置いた。 「ルネーシャ、フレスゲン、新竜山、トライ、スタンレイ、グルゴネール。この六ヶ所が精霊スポットでもあるのよ」  急に名前を並べて説明を始める。ヘンリエッタも顔を上げて話を聞く。
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