君と私の道中劇

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 ルーニーとて適当に聖堂騎士長を選任しないこと位は知っている。  二人が出奔して数年、怪訝に感じていた。信仰を捨てるような何があったのかと。  だがもし教団の密命を受けてこのフレイム王女を自称する者と共に在ったならば。  王に会って娘ですか、などと問うことが出来ない以上は、間接的な証を信じるしかない。 「殿下が傭兵の真似事とは、どういう目的でしょうか」  話を聞くくらいはしよう。ルーニーが着席を勧める。 「司会進行はフラちゃんです。殿下はわけありで国外に居ました、それはオーケー?」  何故かを尋ねるなとの牽制だ、嫌ならこれ以上話すことはない。  拒んだらどうなるか、別の誰かに会いに行くか諦めるか。  いずれにせよルーニー将軍と話をしたくてやってきた事実はある、彼は大きく頷く。 「殿下は永年の盟約を破って戦争をしていることに悲しんでるわ。どうにか事態を収めたいって」 「それは……残念ながら私の関知するところではない」  国家に連なる将軍である以上、その方針に従う義務がある。  勝手な思いで迂闊な言葉すら口に出来ない立場なのだ。
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