竜と精霊の郷

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「なんて人だったの?」 「鮮血の将ムスターと聞いております。こちらの大陸出身ではないので、正確な発音ではありません」  異国の人物。三人が興味を抱く。  度々出てくる存在がどう歴史に関わりを持ってきたのかを知るために。 「文字には出来るでしょうか?」  唸りながらも確かこうだったはずMusterと綴った。 「ミスラミフルの名前ですわね」  アスガルド大陸全般で使用されている文字だ。昔がどうかはわからないが。 「左様でありましたか。彼のお方が使われていた軍旗はこのようなものでありました」  赤地の三角に黄色い星が一つStarsと文字を添えた。 「騎兵団旗……でしょうね」  いくつか現存している三角軍旗の殆んどが騎兵団のものだ。  アレックスが、例外は儀礼的なものしか無いので、可能性として半ば断定してしまう。 「実際は正規軍なのですが、ムスター将軍の元の所属がそうだったようです」  メルセドアが歩兵、ラーマヴェインが騎兵に適した砦だったのだろう。  聞いた話で推察できるのはこのあたりが限界だ。
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