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「……そんなことを聞いてどうするんですか?」
「あっ、えっと、その」
言葉に詰まってしまった小桜さんの目が、潤んでいくのが見える。
……泣かせるつもりはないのだけれど。
「七月十八日です」
「その、ありがとう、ございます。
……もうすぐ、ですね」
「そうですね」
視線の先のカレンダーは七月になっている。
十八日はもう来週。
「あの。
えっと。
ありがとう、ございました。
失礼、します」
「はい」
小桜さんがあたまを下げて出て行き、ひとりになったとたん、机の上に突っ伏した。
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