34人が本棚に入れています
本棚に追加
「……もしかして、甘いものは嫌い、ですか?」
レンズの向こうには手作りだろうと思われるカップケーキ。
それに、また涙が浮かんでる小桜さん。
「甘いものは好きなんですけど。
すみません。
生徒からのプレゼントは、受け取れない規則になってるんです」
「……そうなんですね。
知らなかったです。
じゃ、じゃあ、迷惑、でしたね」
いまにも涙がこぼれ落ちそうな目で、カップケーキをなおそうとした小桜さんの手を、思わず掴んでた。
「まあ、でも、その。
こうやって証拠隠滅してしまえばわからないですし」
手早く袋からだし、カップケーキに噛みつく。
がつがつと食べている僕を、小桜さんは呆然とみてる。
一気に食べ終え、そして。
「ごちそうさま。
おいしかったです。
ありがとう」
最初のコメントを投稿しよう!