規則違反

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「……もしかして、甘いものは嫌い、ですか?」 レンズの向こうには手作りだろうと思われるカップケーキ。 それに、また涙が浮かんでる小桜さん。 「甘いものは好きなんですけど。 すみません。 生徒からのプレゼントは、受け取れない規則になってるんです」 「……そうなんですね。 知らなかったです。 じゃ、じゃあ、迷惑、でしたね」 いまにも涙がこぼれ落ちそうな目で、カップケーキをなおそうとした小桜さんの手を、思わず掴んでた。 「まあ、でも、その。 こうやって証拠隠滅してしまえばわからないですし」 手早く袋からだし、カップケーキに噛みつく。 がつがつと食べている僕を、小桜さんは呆然とみてる。 一気に食べ終え、そして。 「ごちそうさま。 おいしかったです。 ありがとう」
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