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「すごい。あんなに大きな蟹だったから、絶対に食べきれないと思ったけど、
食べちゃったわね」
「蟹は、胃袋の大きさや年齢に関係ないものなのさ」
テーブルの上の片付けを手伝ってくれながら、
ちょっと物知り顔になった彼が、胸を張る。
それから、このご馳走のおかげですっかり満足とリラックスをした私たちは、
その雰囲気に乗って後片付けをし終え、
もう一度ダイニングに戻って、残りの白ワインをゆっくりと味わおうと
意見が一致した。
二人でやる後片付けは、あっという間に終えられた。
そして、ダイニングへと戻った私たちは、
レストランとは違って他の目も音もないせいか、
この晩は、特に心地よいワインの酔いに任せて饒舌になる。
我が家のダイニングに、久しぶりに楽しい会話と笑い声が満ちていた。
そして、そんな私たちとは無関係だとばかりに、
滝嶋は、ダイニングの隅に置かれた彼女のベッドの中で熟睡をしている。
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