1.恋愛対象外を脱出する方法。

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リビングからは結兄の言った通り、ロールキャベツの美味しそうな匂いが漂ってきて、一気にお腹が空いてくる。 「ん~、美味しそう!」 今日はトマトベースで煮込んであるロールキャベツが、お皿の上で湯気を出している。 ママが「温かいうちに食べなさい」という前に、すでに頬張っていた私。 「美味しー!」 「……さっきは食欲ないって言ってたのに」 結兄がクスっと笑いながら、ポソっと呟く。 ………どうせ、単純だもんっ。 だから、結兄に女として見てもらえないんだろうか。 好きな気持ちは誰にも負けないのに。 隣に座る結兄を見上げると、美味しそうに缶ビールを飲んでいる。 私の知らない大人の表情。 私の視線に気付いた結兄が呆れた笑みを漏らす。 「見すぎ。なに?ロールキャベツ欲しいの?」
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