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ーー次の日の朝。
「陽菜、おはよ」
「おはよっ、莉子!」
いつもの待ち合わせ場所で待つのは、小学校からの親友の倉本莉子(くらもと りこ)。
「……朝から元気だね。……あ、昨日カテキョの日か」
結兄の存在を知っているだけに、私のことは全てお見通しだ。
学校までの道を他愛の無い会話をしながら、二人並んで歩く。
大体、私が話すことに莉子が相槌を打つのがお決まりのパターン。
「でね、昨日も彼女にしてほしいって言ったんだけど、却下されました」
「……ほんと、よく頑張るよね」
何を言われても諦めない私に感心しているのか、呆れてるのかわからないような表情で私を見る。
「だって、好きなんだもん。そんな簡単に諦められないよ」
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