1.恋愛対象外を脱出する方法。

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「……蒼真もバカだね」 「うるせーよ」 「陽菜には、もっとわかりやすく言わないと伝わらないよ」 ………そんなこと、痛いくらいわかってる。 けど、今更どうすることもできない。 「わかりやすく、ね。……言ったところで信じるとも思えないけど」 「まぁね。……気持ち悪い、熱でもあるんじゃないの?って言われておしまいだね」 「………」 俺達の存在を忘れているのか、一人先を歩く陽菜の背中を見つめる。 小さい頃から俺なんか眼中になくて、結兄しか目に映っていない。 「ま、後悔しないように頑張れば?」 そう言って、莉子が陽菜の後ろを追いかけていく。 肩を叩かれるまで、莉子がいなかったことに気付いてなかったらしい。 ………ほんと、アホっつーか抜けてるっつーか、目が離せない。 だから、 俺達がこんな会話をしていたことにも、 俺の気持ちにも、 鈍い陽菜は全く気付いていない。
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