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「でね、『よく頑張った』って頭ポンってしてくれたんだよっ!」
「………あ、そう。よかったね」
登校中、莉子に昨日の出来事を細かく報告すると、みるみる内に呆れた表情へと変化を遂げる。
「え、それだけ?」
「ほんと心配して損した」
ハァ、と大袈裟な溜息を零してから私を見る。
「昨日の落ち込みようは半端なかったし、大丈夫かな…って気にしてたのに、頭ポンされただけでご機嫌なんだから呆れもするわよ」
………莉子の視線が冷たくて痛い。
それでも気を抜けば頬は垂れ下がる一方で、莉子は諦めたような顔をした。
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