1.恋愛対象外を脱出する方法。

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特に驚いた様子もなく話す莉子に、私もさっきの言葉を思い出す。 「そうだよ!なんで蒼真も一緒なわけ?」 「悪いかよ」 「ヘンな虫がつかないように見張ってないと心配だもんね」 莉子の言葉に蒼真がギョっとした顔を向ける。 「虫?」 「いや、こっちの話」 蒼真の冷たい視線が莉子を見るけど、全く気にせずに前を向いている。 「……結兄がいた場所で野球やりたいだけだよ」 どこか気まずそうにする蒼真に、莉子がまたクスっと笑みを零す。 「それに、結兄と一緒のチームだった人が臨時コーチしてるらしいし」 結兄が高校球児だった頃、甲子園出場はあと一歩のところで叶わなかったものの、県ではベスト四に入るくらい強かったらしい。
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