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「でね、合格して野球部のマネージャーすることにしたの!」
「………いや、意味がわかんない」
結兄に勉強を見てもらいながら、つい先日決めた目標を報告した私に呆れた顔を向ける。
「だからー、高校に合格して…」
「いや、そこはわかるけど。……何で野球部のマネージャー?陽菜、ルールわかんの?」
「わかるよっ!結兄が好きなものは私も好きだし!野球のルールだってとっくに覚えたし!」
結兄に噛み付く勢いでそう訴えると、一瞬ポカンとしてから、ハハハっと笑い出す。
「そんな必死にならなくても…」
「なるよ!だって、結兄が野球してる姿、一番近くで見たいもん」
「そんな不純な動機で続くほど、マネージャーの仕事は甘くないぞ?」
急に真面目な顔をした結兄が、真っ直ぐに私を見つめる。
私はその場で正座をして姿勢を正すと、同じように真っ直ぐ見据えた。
「確かに始める動機は不純かもしれないけど、やるからには真剣に最後までやり通すから」
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