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今日の分の勉強を終えると、テーブルの上を片付ける前に結兄にまた向き直る。
「あのね、結兄にお願いがあるんだけど」
「なに?」
首に手を置いて、グルンと一周首を回してからこちらを見る。
私は小さく深呼吸してから、結兄を真っ直ぐ見据えた。
「高校に合格したら、私と一日デートしてほしい」
「いいよ」
「え?」
「ダメだ」とか、笑って誤魔化されたりすると思ってただけに、あっさりと承諾する結兄に少し戸惑う。
「合格祝いってことだろ?いいよ、陽菜の好きなとこ連れてくよ」
「やった!嬉しいっ!ありがと!………あ、でも、もう一つあるんだけどいい?」
私はニッコリと笑顔を浮かべると、きっと結兄が困るであろうことを口にした。
「高校生になったら、私を女として見てほしい」
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