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結兄は困ったように眉を下げると、
「高校生になったからって俺の中で何かが変わるわけじゃないし、陽菜に対する気持ちも変わらないと思う」
いくつになっても縮まることのない年齢という壁。
「陽菜がどれだけ想ってくれても俺の気持ちが変わる保証もないし、そしたらその時間は全部無駄になるかもしれない。せっかくの高校生活をそんなことで終わらせてほしくないし、陽菜には今しか出来ないことが沢山あるだろう?」
結兄の容赦ない言葉に、悲しさよりなんだかだんだん腹が立ってくる。
「………何が言いたいの?」
「高校生活を振り返った時に、やっぱり俺なんかやめとけばよかったって後悔しないか聞いてるんだよ」
思いもしない結兄の言葉は、私の目を丸くする。
真っ直ぐに向けられる結兄の視線からは、冗談を言っているようには思えない。
「………え?」
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