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「陽菜っ!どうだった!?」
「あった!あったよー!莉子!!」
二人で抱き合いながら、きゃあきゃあと喜び合う。
そう、今日は高校の合格発表。
長い長い受験勉強から解放され、その努力が無事報われるかどうかドキドキしながら自分の受験番号を探すと、手元の受験票と同じ番号が掲示板に載っていた。
「これで高校も二人で通えるねっ!」
「三人だよ」
声のする方を見れば、蒼真がマフラーに口元を埋めて立っていた。
「蒼真!受かったの!?」
「バッチリ」
マフラーで口元は見えないけど、おそらく片方の口角をニヤリと引き上げているに違いない。
「じゃあ、高校も三人一緒ってことね。蒼真は同じクラスになれるといいけど」
そう言って莉子がニッコリ笑うと、何故か蒼真は気まずそうにふいっと目を逸らす。
………ん?前から思ってたけど、ひょっとして蒼真って莉子のこと……?
そうか、だから一緒の高校に行きたかったのか。
私は一つの線が繋がったような感覚に、一人で頷く。
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