2.一歩、大人に近付くには?

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「結兄っ、次あれ乗りたいっ!」 「そんな急がなくても、あれは逃げないから」 ハイテンションでアトラクションを指差す私を、結兄は苦笑する。 ただでさえここはテンションが上がる場所なのに、隣には大好きな結兄。 落ち着けと言う方が無理な話だ。 「だってっ、結兄と二人で遠出なんて久し振りなんだもん」 結兄と二人で出掛けるといえば、いつも近所のスーパーやコンビニ、レンタル店くらい。 しかも、それは私がくっ付いて行っているだけ。 だけど今日はれっきとした"デート"と言ったっていいはず。 少しでも可愛く見せたくて、お姉ちゃんから借りたニットワンピースにライダースジャケット。 足元はいつだったか、莉子が読んでいた雑誌に"男の人は絶対領域に弱い"と書いてあったことを思い出し、ニーハイソックスにスニーカー。 それから、髪は不器用ながらにも上でお団子に纏め上げた。
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