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「昔は陽菜んち家族と一緒に、キャンプしたことあったよなー。陽菜まだ小さかったし、覚えてないか」
それは私が3歳の時に、結兄の家族とうちとでキャンプに行った時のこと。
私はぼんやりとしか覚えてないけど、川遊びが怖くて泣きじゃくった挙句、結兄にべったりくっついて離れなかったらしい。
その時の写真を見てみると、確かに泣きべそをかいた私が結兄に抱っこされている写真が沢山残されていた。
「その時の写真なら見たよ。私、あの頃から結兄のこと好きだったんだね!だとしたら、かなり一途だと思わない?」
「一途ねぇ……陽菜はさ、俺を美化しすぎじゃない?本当の俺を知ったら、幻滅するかもよ?」
悪戯っぽく笑う結兄に向かって、私はゆるりと首を傾ける。
「本当の結兄って、今の結兄と何が違うの?」
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