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そう言って、ふっと結兄が笑う。
きっと結兄には、私が何に傷付いたのか全てお見通しなんだと思う。
だからわざわざ"デート"という単語を口にしてくれた。
「…………っ、」
胸がぎゅぅぅっと締め付けられる感覚と結兄の優しさに心がほっとする。
………好き、大好き。
この想いだけは、絶対に誰にも負けない。
「ほら、陽菜。もうすぐだぞ」
指差す先には、順番にアトラクションに乗り込む人達が見える。
私達の順番も、すぐにまわってくるはず。
「結兄、ありがと。……すっごい楽しみだねっ」
今は不釣り合いかもしれないけれど。
「笑ってられるのも今のうちかもよ?結構な高さから落下するらしいぞ」
「私、絶叫系平気だもん!結兄こそ、腰抜かさないでよ?」
自信を持って結兄の隣に立てるように。
「バァカ。抜かすわけねーだろ」
絶対今よりも綺麗になるから、待ってて。
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