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真面目にやる気はあるんだけれど、つい余所見をする時間が長くなってしまう。
頬杖をついたまま、ニコニコと結兄を眺めていると、結兄がガックリと肩を落とした。
「陽菜。ちゃんと勉強しないなら、家庭教師辞めるよ?」
「ええっ!やだっ!」
「なら、言わなくてもわかるだろ?」
目の前に広がる教科書とノートに視線を落として、シャーペンを手にする。
向き合うこと三分。
「できたっ」
「ん、正解。陽菜はやれば出来んのにな……」
そう言いながら結兄が新たな問題を指差すと、私はその問題もパパッと解いていく。
そう、私はやれば出来る子。
もちろん結兄の前だけなんだけど。
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