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蒼真を異性として………?
「ないない。ありえない」
「なんで?ああ見えて蒼真、結構女子から人気あるじゃない」
確かに、そんな話はたまに耳に挟むこともあったけど……。
蒼真に対してキャッキャする女子を見るたびに、何がそんなにいいのか不思議だった。
「なんでって言われても……蒼真をそんな風に見ようと思ったことないもん。小さな頃から知ってるし、意地悪だし、すぐバカにして突っかかってくるし、嫌味しか言わないし……」
そう言いながらひとつずつ指折り数えると、莉子に向かって眉を潜める。
「これで好きになると思う?」
両手で頬を包み込むようにトン、とテーブルに頬杖をつくと、振動で隣にあったティーカップがカシャンと小さく音を立てる。
「………これはまた、なかなか厳しいわね」
「え、なに?」
「ううん。なんでも」
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