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今日の分を終えると、教科書を片付ける前に結兄にひとつ提案をする。
「ねっ、結兄!今度の中間、成績よかったらご褒美ほしい!」
「ご褒美?」
私はニッコリと微笑むと、人生で望むたった一つのお願いをする。
「結兄の彼女になりたい!」
「却下」
若い女の子からの告白を顔色一つ変えずに断るなんて、ほんとありえない。
私は思いっきり頬を膨らませると、キッと結兄を睨み付けた。
「なんでっ?」
「なんでじゃないだろ。そのご褒美、一体何度目?」
わざとらしいくらいに大きな溜息を吐く結兄。
そんなもの数えたことなんかない。
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