1.恋愛対象外を脱出する方法。

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「じゃあ、恋愛対象に見てよ!」 「……陽菜、俺の話聞いてた?」 決して交わることのない平行線の言い合いに終止符を打ったのは、階段の下から私達を呼ぶママの声。 「結人くん、陽菜ー!ご飯出来たから、降りて来なさい」 あからさまにホッとした顔をする結兄に向かって、わかりやすく不機嫌な顔を見せる。 「ほら、陽菜。ご飯だって」 「いらない!食欲ない!」 プイっと顔を背けてベッドに座ると、結兄は立ち上がってドアノブを掴む。 「残念。おばさん、今日は陽菜の大好きなロールキャベツにするって言ってたのになー」 「………」 「ご飯食べないと大きくなれないぞ?」 「………」 「そうなると、恋愛対象からもっと遠ざかるな」 「………っ、やっぱり食べるっ!」 グルンと首を結兄の方へ向ければ、腕を組みながらニヤニヤした笑みを浮かべていた。 私が不機嫌になった時のあやし方を知っている結兄には、やっぱり敵わない。
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