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１／２ moon night
会えなくなってからも、
君を忘れたことはない。
君に会いたくなった日は必ず
月の写真を撮った。
会いたいと思った日は必ず。
線のような三日月から満月まで。
月の写真を撮りながら君を想った。
今日、一日のことを君に語りかけた。
月を仰ぎながら。
君と会えなくなってから２年。
バックの中には679の月と、
51の夜がある。
今夜、680枚目の月を撮る。
今宵はハーフムーン。約束の月。
でも雲がかかっている。
なぜだろう、この２年、
半月の日は曇ることが多い。
泣いてるのかな？君が。
遠い地で。
空を見上げていた。
あきらめて、
暗い空にレンズを向けた時、
雲が切れた。
切れてくれた。
わずかな雲間から除いたハーフムーン。
シャッターをきった時、
君の声が聴こえた。
歌うように。
『おやすみなさい。早く迎えにきてね。』
なんて都合のいい耳なんだ。
僕は679枚の月の写真を床に敷く。
その上で眠りについた。
今夜の月はすぐに現像して抱きしめている。
｢ごめん。おやすみ。｣
君に会えない３年目が始まる。
〈fin 〉
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