41人が本棚に入れています
本棚に追加
/1663ページ
「安達蒼馬はいまどこにいますか」
「そんなのこっちが知りたい」
倉橋の声には、いらだちがにじんでいた。
「倒せないのなら────」
「本拠地ビルから引き離せばいいですか」
倉橋の言葉をさえぎり、長塚は言う。彼にしては珍しく、有無を言わさぬ口調だった。
「直属部隊の力を借りれるのであれば、引き離すことは可能です」
「影を倒せないというのなら仕方ない。直属部隊は好きに使えばいい。ただ、早急に引き離せ。これ以上絶対に本拠地ビルに被害を出すな」
威圧的な口調でそう告げると、倉橋は本拠地ビルの中へ早足で向かう。その倉橋に、本拠地ビルの中にいた隊員が駆け寄るのが見えた。停電に対する対処のためか。
倉橋とのやりとりを乗り越えた長塚は、はぁ~っと、深く息を吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!