最高のスパイス

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僕には、忘れられない最高の味がある。 「んー、美味しいー♪」 目の前で、本当に美味しそうに食べる女の子。 彼女は覚えてるかな、あの日のことを―― それは、生徒同士の交流を深めるお弁当交換の日のことだった。 4時間目が体育だった事も手伝い、みんながお腹を空かせている昼食時間。 「ふにゃー、お腹すいたよー」 目の前の席で腕を伸ばし、机に突っ伏している女の子も例外じゃなかった。 「はい。それじゃあお弁当の時間にしましょう」 「やたっ!」 担任の先生の声に喜び、ガッツポーズをする彼女。 普段は割としっかり者なんだけど、気を抜く時は抜く彼女に、好印象を持つ子は少なくなく、かくいう僕も例にもれない。 告白までする勇気は、まだ持ててないけど。
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