『殺人鬼は人じゃない』

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数年前、とある殺人鬼が世間を賑わせていた 幸せそうな家族だけを狙った殺人 数ヶ月で十数件もの犯行があったにも関わらず一年は逃げ延びた殺人鬼 その殺人鬼は捕まって終身刑となっていた。 そんな殺人鬼の被害にあった女の子の話 その日はクリスマスだった、家族でご馳走を食べている時、チャイムが鳴った。 ピンポンピンポンピンポンピンポン!! 騒がしいチャイムに加えて更に ドンドンドンドン!!ドンドンドン!! というドアを叩く音も加わった。 少女の母は少し恐怖しながらも少女をタンスに押し込んで「良いというまで何があっても出て来てはダメよ、絶対に、絶対にダメよ」と言った その直後、父がドアを開けた瞬間に件の殺人鬼が入って来て… 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も 殺人鬼が持っていた包丁でザクザクザクザク刺し続けた 刺し続けながら殺人鬼はぼそぼそと何かを呟いている 「私は…たすかった…私は…ちがう…私は…」 少女はタンスの中で声を殺し、殺人鬼が消えるのを待った そして声を殺し気配も殺して隠れていると、いつの間にか気絶したのか朝になっていた それから警察に行き、少女は錯乱しながらもなんとか恐怖の出来事を伝えた そしてその1ヶ月後、殺人鬼は捕まり、終身刑となった 話は変わるが少女は特別な病気…のようなものを患っていた。 特に害がある病ではない。 完全記憶症候群と呼ばれる異常な記憶力だ。 そしてこの病の所為で、少女は父と母を殺された記憶を封印し、自己防衛をすることができず、延々とトラウマにうなされることとなった。 そして数年後… またもや殺人鬼が世間では話題となっていた。 貴重な目撃情報によれば小柄な少女が不気味な笑みでぼそぼそと呟きながら人を殺していたのだという 憎しみは連鎖するというが、これは果たして憎しみが連鎖したのだろうか? それとも…
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