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「いらっしゃいませ。」 新たな来客を知らせる声に反応し、思わず私は入口の方を振り向いた。 今日の彼はスーツ姿。 ジャケットを脱いだその胸元には、職業的肩書きを誇示するバッジが付いている。 「康生さん!」 嬉しくなり、思わず大きく手を振った。 まさか、今日もここで会うなんて。 「おぉ、ヒナちゃん。 もう帰省から戻ってたんだ?」 嬉しそうに、彼も私の方へ近付いてくる。 しかし、カウンター席はほぼ満員。 私の両隣には、既に別の客が座っていた。
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