嫉妬心を煽る不意の駆引き

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当初の予定よりも一日早く帰宅する旨を家主に伝えたのはついさっき。 札幌へ向かう特急列車の中で、私はサクちゃんに『今日帰る事にした』と一言短いメッセージを送った。 彼からの返信はまだない。 今頃、店で忙しく開店準備をしているのだろう。 しかし、想定外に早い元恋人の帰宅を彼はすんなり受け入れてくれるのだろうか。 そんな不安が脳裏を過ったが、このまま彼に何も言わず自宅へ帰るのはとてつもなく寂しい。
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