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彼女の威圧に負けじと強い思いを口にした。
今にも逃げ出したい気持ちを押し殺して、彼女の圧からぐっと堪える。
一瞬、目を大きくした彼女の瞳が揺れたように思えた。
だけど、それは一瞬のことで、すぐに攻撃的な視線を向ける。
「…そう。今言ったこと、後悔するんだから」
そう言うと、彼女は冷たい空気を残して去っていった。
彼女がいなくなった後、私はしばらく動けずに、冷めた料理を眺めていた。
よからぬ不安ばかりが私の脳裏を駆け巡る。
強張った身体を解放させたいのに、堅くなる一方だ。
肩が少し怯えているのは、恐怖からだろうか。
強い意志を見せたわりに、私の心は相反して空っぽだった。
今にも簡単に崩れてしまうほど私の決意は脆かった。
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