7.2人目の恋敵

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私を敵視しているのは美桜さんだけじゃないのだ。 二人の女性に牙を向かれた現実に、私はすでに耐えられそうにないほど心が弱っていた。 「葉瑠!」 我に返ったとき、彼が何度も私を呼んでいたことに気づく。 「大丈夫? ごめんな、遅くなって」 見上げた先には、心配そうな目をした彼が立っていた。 私服姿の彼に、バイトが終わったことを悟る。 「帰ろう」 彼はそう言うと、いつものように手を差し伸べた。 その手の温もりを確かめるように優しく触れると、彼は小さく微笑んだ。 この笑顔に何度も救われてきた。 彼のマンションに帰るのも、彼が今、笑顔を向けてくれる相手も全部私だ。
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