7.2人目の恋敵

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「どんな人って明るくて、素直な女の子だよ。 有里果がどうかした?」 彼の様子からすると、彼女の気持ちに気づいていないように見えた。 それが逆に私の焦燥感を掻き立てて、ずるいと思いつつも、彼女の隠れた裏の顔に気づいてほしい気持ちが先立ってしまう。 「有里果さん、楢崎くんのこと好きなんじゃないのかな…?」 振り絞って言ったその声は、カラカラに渇いた喉のせいか、ひどく枯れていた。 「え?」 「私のこと、よく思っていないみたいだから…」 「まさか。 有里果が俺を好きとかないって。 今日だって、葉瑠のことを褒めていたし、 俺達のことも応援してくれていたよ。 葉瑠をよく思っていないっていうことはないんじゃないかな?」 それは彼女の企みなの。 声を大にして言いたかったけれど、言えなかった。 彼女を疑わないのは、それほど二人の信頼関係が築けている証拠だ。
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