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あれから美桜さんとは関わることもなく、次第に私の中から彼女への意識は薄れつつあった。
それは彼が私を大切にしてくれていることが十分に伝わっていたから。
電話は毎日しているし、彼自身が私を不安にさせないように気遣ってくれていることもあって、毎日心穏やかに過ごせている。
空いた時間は少しでも会うようにしていた私たちだけれど、少しずつ二人で会う時間さえも作れなくなってきていた。
夏季休暇に入って、楢崎くんが思いのほかバイトに時間を費やしていたからだ。
私が寂しい思いをしているのではないかと思ったのか、突然、「バイト先に遊びに来ない?」という彼からの誘いがあった。
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