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鮮明に蘇る、彼と過ごした記憶。
『どんなことがあっても、俺は葉瑠だけだから』
嘘つき。
『葉瑠…好きだよ…』
…嘘つきっ!
雨の音が勢いを増す。
身体起こそうと足を着いてみるも、ふらついて立つことができず、そのまま濡れた地面へしゃがみこんだ。
今日のためにめかし込んだワンピースは雨に濡れてめちゃくちゃだった。
「…うっ…うぅ…」
きっと、もう二度と彼に会うことも、触れることもない。
優しくて、大好きなあの笑顔も、
私を愛しそうに見つめる瞳も、
もう見ることはできない。
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