10.傷。

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「私、邪魔なようだから帰るね。 怜……またね」 「…ああ」 美桜さんは余裕そうに微笑んだ。 本当はこれから起こることも、彼女にはすべてお見通しだったんだろう。 「……」 言葉が出ない。 勇気を出して彼に会いに来たものの、突きつけられた現実にショック過ぎて、今にも倒れてしまいそうになるほど辛かった。 彼と美桜さんがこの部屋に帰ってきたということ。 まるで恋人のような親密な二人…… いや、もう……付き合っているのかもしれない。 「今さら何?」
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