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彼は私の声を無視して、力強く両腕を押さえた。
抵抗する私を気にすることもなく、唇を首筋へと動かしていく。
拒みたくて、腕を動かしてみてもビクともしない。
怖い…。
こんなの、楢崎くんじゃない。
「お願い…止めて…」
そう言っても、彼は動きを止めることなく、唇をさらに下へと動かしていくいく。
どうしてこんなことするの?
私が、頼らなかったからいけないの?
どうしたら、いつもの彼に戻るの?
お願い、全部話すから。
だから、
私の話を聞いて。
「こんなの嫌。お願…んっ」
そんな私の言葉を遮るように無理やり唇を塞がれた。
「…んっ…やっ!」
「…いって…」
「あ……」
彼の唇から真っ赤な血が流れていくのを見てハッとした。
「ご、ごめんっ…」
彼は何も言わずに、流れる血を親指で雑に拭った。
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