第2章 私は貴方の犬ではない。

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高級牛革ソファーに座り、客(女)に コピーした同じメールを入れる。 5秒も絶たないうちに、数十人からメールが一斉にくる。 はっ…どんだけ、暇なんだよ。 スマホ画面にうつる絵文字だらけのメールに溜め息を漏らした。 どうでもいい女からは、すぐ返信くるのに アイツにいたっては返信すらよこさねぇし ったく、何でか知らねぇけどイライラする。 開店早々、やってきたのは真っ赤なドレスに盛り盛りの頭をしたキャバ嬢だ。 俺、指命で席につくと、すぐ高い酒をオーダーする。 「あれ?今日、出勤なんじゃないの?」 「出勤前に会いに来ちゃった。今日はね、同伴だから、ここの 御代は客が払ってくれるの」 「へぇ~。って、コラ 駄目だろ。ちゃんと自分で払わなきゃ」 「へへ。ごめんなさーい」 うざい。何なんだよ、この女。 客に払わせるだ? 働いてんだから、お前が払えよ。 次々に高い酒を頼み、ひとしきり どうでもいい話をした後、中太り男性に金を払わせ夜の街にきえていった。 「あーゆう、女嫌いだわ」 笑顔で見送りながらポツリと呟く。 「そうですか?案外 修吾さんも、変わりませんよ?あの女と」 は?お前、馬鹿にしてんのか。 俺はナンバー1の男だっつうの。 俺は隣に立つナンバー5の男を睨み付けた。 「おっと、修吾さん冗談ですよ。じゃ、仕事あるんで」
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