第2章 私は貴方の犬ではない。

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仕事終わり、あの女に着信をした。 朝の4時、なかなか出ないまま留守電に切り替わる。 ちっ、早く出ろよ。 マンション下、あの女の部屋の窓を確認するがカーテンで閉められてるため中は見えない。 俺は出るまで何度も何度も着信を鳴らす。 そして何度めかのコールのあと、眠たそうな声が聞こえた。 「あの、貴方はストーカーですか?」 なっ!開口一番が、その台詞かよ。 「ちげぇーよ。今から行くから鍵開けとけ」 俺は、あの女の返答を待たず、すぐに切ると部屋に向かった。 ドアを開け部屋に入ると、コイツはヨレヨレのパーカーにジャージをはいてダルそうに俺を見てくる。 そして、その後は大きな口を開けアクビをする。 女子力0だな。コイツ ま、とにかく今日も飲みすぎたし牛乳でももらうとするか。 俺は特に牛乳が好きな訳じゃない。 買ってまで飲もうとは思わないが、あの時以来からコイツの顔を見るとなぜか、牛乳が飲みたくなってくる。 庶民的な部屋に白い牛乳が合うのか分からないが、この空間で飲む牛乳はうまいからだ。 「それ、飲んだら帰ってくださいよ」 頬杖ついて、眉間にシワをよせながら言ってくるコイツに俺は、牛乳を一気に飲み干してやると、 「めんどくせぇ。却下」そう答えた。 ---------《修吾side… end》
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