第12章 白い天使に隠された闇(獣男子 (上) 完)

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「ちょっと見せてよ」 「は?ふざけんな。見せられっか」 ますます怪しい 「アンタの質問に答えたんだから、そのお返しに見せてよ」 「却下。断る。じゃ、俺 行くわ」 ちょっと、何なの? 人に聞いといて、自分が聞かれたら答えないとか そんなの有り得ないから 「あっそ。別に興味ないけどね。じゃあ、私はこっちから帰るから」 私は、佐渡(兄)と逆方向へ帰る振りを見せた 油断したところで、雑誌を取り上げる作戦だ アイツの足音が徐々に遠くなる まだよ私…… 少し振り返り、アイツが完全に 油断してることを確認する 雑誌は右手… ふん、なんて無防備 ブラブラ提げちゃって とって下さいと言ってるようなものじゃないの よし、今だ! 私は全速力でダッシュし、佐渡(兄)の右手にある雑誌を軽快に奪うことに成功した 「やったー!」 「おい、ふざけんなよ!」 焦ってる焦ってる 私から、すぐに取り返そうと迫ってきた そうは、させるかっ 取られる前に何の雑誌か見てやる えーと…… 「バカ、やめろって!」 え? これって…… …… 求人雑誌?
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