第12章 白い天使に隠された闇(獣男子 (上) 完)

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「返せって。俺だって たまには真面目に考えてんだ。ボソッ (修也に負けたくないからな)」 「ん?最後の方、聞こえなかった。何て言ったの?」 「なんでもねぇよ。じゃあな」 変な奴 求人雑誌ね…… アイツも、、色々 考えてるんだ。 何か、少しだけ見直したかも。 佐渡(兄)の背中を見送った後 私は夕焼けを背にマンションへ帰って行った。 ------- ≪修也side≫ 「修也?何、考えてんの?」 「あ、ごめん。何でもない」 「あ、女の事?もう、浮気なんかしたら許さないんだからね!」 「しないよ。だって俺は、君しかいないから」 「嬉しい!修也、愛してる。はい、今月分の お金… これしか稼げなかったけど…」 「ありがとう。ごめんね…… 兄貴の借金が落ち着いたら、ちゃんと返すから…」 「いいの。私は修也の為にやってるんだもん」 ふん、うぜーな。 てか、化粧ケバいんだよ 香水もキツいし あー、まじウザイ 金くれるから、言うこと聞いてやってるけど 他のカモ探した方がいいかもな。 俺は、兄貴の借金だと嘘をついて、健気なふりをして金稼ぎのため、好きでもない女と寝たり、デートしたりしてる。 表面上は 王子様らしいが、俺の本性は王子様でも貴公子でもなんでもない。 里子と付き合い始めたが、修吾から奪ったというだけで、俺は興味がなくなっていた。 元々、興味なんかないけど 日中は家庭教師なんかしてるって嘘ついてるし まぁ、家庭教師もあながち間違いではない。 たまーに、高校生相手に画面越しで教えてやってる 里子が、家にいるときだけだが 「俺、そろそろ帰るね。兄貴、帰ってくるから」 「一人でいても、つまんないよ…… 修也いないと寂しいし。もっと一緒にいたい」 ふっ。お前の顔が、くそつまんねぇんだよ 化けもんみたいな面で、俺に抱きついてくんな 気持ち悪い 「ごめんね。また連絡するからさ」
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