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◇ ◇ ◇ ◇
ある日の昼間
俺は兄貴の部屋に呼び出された
兄貴はベッドで横になるとスマホをいじりながら俺に聞く。
「なあ、修也。何で突然 付き合いだしたんだよ」
「……」
いきなりストレートに聞かれた俺は言葉に詰まってしまった
「あいつ の、どこに惚れた?」
どこって……
言われても…
無難な事しか頭に浮かばない
「せ…性格だよ。ほ、ほら 里ちゃん優しい子だし」
間違ってはないよな。性格は良い方なんだから
「ふーん。俺は 強がってるように見えて本当は弱い一面があるところに惚れたけどな。まあ、あいつは… 俺の事なんか好きじゃないし。むしろ嫌われてるし」
おい、何が言いたいんだよ。
とこに惚れたかを言い合いっこする為に呼び出したのかよ
「なあ、修也…… あいつを本気で好きなら裏切るなよ」
兄貴はスマホから俺に視線をうつして そう言った
その視線に俺の笑顔はひきつる
「裏切ったりしないよ。当たり前でしょ」
偉そうな事ばっか言ってんなよ
裏切ったりしたのは母さんと兄貴だろ?
そんな兄貴に、とやかく言われたくないな
「もし、裏切ったりするようなことがあれば、俺は本気で行く。遠慮しねぇからな」
兄貴は刺すような鋭い目付きで俺を見据える
安心してよ。そんな、怖い目で見なくても
兄貴の復讐に飽きたら、いくらでも譲ってあげるよ。
それまで、せいぜい 嫉妬に狂ってればいい。
あの日…… 学生時代の俺を怒らせた罰なんだから…。
《修也side end》
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