第12章 白い天使に隠された闇(獣男子 (上) 完)

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《修吾side》 あのバカ女…… よりにもよって、修也と付き合うなんて 予想はしてたが、いざ そう修也から聞かされると…… 俺の気持ちが揺らぐ 俺と修也の違いは、やっぱり優しさの度合いだろう。 俺は不器用だから、あんまり好きな女に対して優しく接することができない。 ガキみたいに、ちょっかいだしたりしか できないから、女は修也みたいな王子様キャラがいいんだろうな…… 俺は王子様っていうキャラでもねぇし… あー!まじイライラする 出会ったのは俺が先だろうが! なんで途中から現れた修也に横取りされなきゃなんねぇんだよ 元から嫌われてたから、脈なしなのは知ってるけどさ。 俺だって、不器用なりに優しくできたのに…… 俺に寄ってくる女は変な眼鏡女かよ…… ったく。興味ねぇのに 夕方前になると、来るんだよな… 「修吾様、お弁当をお持ちしましたわ」 毎日、毎日いらないって しかも、毎回 同じオカズ… いくら、俺が卵焼き、ウインナー(たこさん)、唐揚げが好きだからって、、こうも毎日だと飽きる 「修吾様。早く召し上がらないと、お仕事に間に合いませんわ。それとも仕事先で召し上がります?」 は?ふざけんなよ こんなん持ってったら笑いもんだろ 「いや、今日は止めとく。腹の調子がな…」 咄嗟に嘘をついた俺に眼鏡女は、青ざめた顔で俺の手を引いた。 「大変ですわ!今すぐに、病院へ行かなければ修吾様が…大変なことになってしまわれます!さあ、手遅れになる前に行きましょう!」 「おい、待て待て。手遅れってなぁ…… 俺を勝手に殺すなよ」 「だって、お腹の調子が悪いと言うものですから… つい…テンパってしまって…… お恥ずかしい」 「とりあえず大丈夫だから、病院とか行かなくていいから。分かったな」 「はい。了解しましたわ。ワタクシとしたことが先程は早とちりをしてしまい申し訳ありません」 ったく早とちりもいいとこだ。 それにテンパり過ぎだろ。 「あーもう、とにかくだ。時間ねぇから、行くわ。この弁当は帰ってから食うから置いとけ。それで、文句ないだろ?」 あー、もうマジで何言ってんだよ俺は こんなんじゃ眼鏡女の思うツボだろ
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