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「笑わないけど、でも その子が嫌いなら仕方ないんじゃ…」
「かもしれねぇけど、やってみてから諦めても遅くはないだろ?」
そう、俺の全力を出しきって
それでも無理なら諦めればいい
次こそ真面目になることができたなら 俺にだって希望は持てるはずだ
「ちなみに、その女は俺の弟の彼女だからな」
「え?、え?え!?マジで?」
哲也の更に驚いた顔に俺は堪えきれず失笑する
まあ、驚くのも無理はない
兄弟で同じ奴を好きになったんだからな
しかし俺は、この時 修也の本性に気付いていなかった。
まさか、アイツが あんな事を平気でしてただなんて…… この時の俺は想像もしてなかっただろう……
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「じゃあ、お疲れ~。先に上がらせてもらうわ」
「おう。身体、休めとけよ。明日、病院いくんだぞ!」
「おう」
その日の俺は朝から体調がすぐれなかった
風邪でも引いたか?というくらいの倦怠感に頭痛
疲れが溜まっていたからだろう。
一日、休めば良くなると思い
いつもは朝方の3時まで働いてるが、今日のところは
仕事を12時に切り上げ自宅へと帰ることにした。
その途中で俺は信じがたい光景を目の当たりにすることとなる。
高級マンションからド派手な格好に身を包む女と、肩を寄せ合いながら隣に立つ男の姿…
その男の姿に見覚えがあった
いや、こんなところにいるはずない。
しかも見知らぬ女とだなんて
ハハッ。俺、相当 疲れてんな…
修也の幻が見えちまう。
修也が、こんなとこに いるはずがないだろ
しっかりしろよ俺…
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