第12章 白い天使に隠された闇(獣男子 (上) 完)

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「笑わないけど、でも その子が嫌いなら仕方ないんじゃ…」 「かもしれねぇけど、やってみてから諦めても遅くはないだろ?」 そう、俺の全力を出しきって それでも無理なら諦めればいい 次こそ真面目になることができたなら 俺にだって希望は持てるはずだ 「ちなみに、その女は俺の弟の彼女だからな」 「え?、え?え!?マジで?」 哲也の更に驚いた顔に俺は堪えきれず失笑する まあ、驚くのも無理はない 兄弟で同じ奴を好きになったんだからな しかし俺は、この時 修也の本性に気付いていなかった。 まさか、アイツが あんな事を平気でしてただなんて…… この時の俺は想像もしてなかっただろう…… ----- 「じゃあ、お疲れ~。先に上がらせてもらうわ」 「おう。身体、休めとけよ。明日、病院いくんだぞ!」 「おう」 その日の俺は朝から体調がすぐれなかった 風邪でも引いたか?というくらいの倦怠感に頭痛 疲れが溜まっていたからだろう。 一日、休めば良くなると思い いつもは朝方の3時まで働いてるが、今日のところは 仕事を12時に切り上げ自宅へと帰ることにした。 その途中で俺は信じがたい光景を目の当たりにすることとなる。 高級マンションからド派手な格好に身を包む女と、肩を寄せ合いながら隣に立つ男の姿… その男の姿に見覚えがあった いや、こんなところにいるはずない。 しかも見知らぬ女とだなんて ハハッ。俺、相当 疲れてんな… 修也の幻が見えちまう。 修也が、こんなとこに いるはずがないだろ しっかりしろよ俺…
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