第2章 私は貴方の犬ではない。

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王子様は佐渡(兄)の話をしてくれた。 小学校3年まで、おもらしをしてたこと。 あー見えて実は虫が苦手なこと。 趣味はヌイグルミ集め。 夜は明かりをつけないと寝られない などなど それはそれは、良いことを聞いた。 少しでもアイツの弱点を知っておかなければ… 王子様と楽しく談笑していると、テーブルの上のスマホが光る 「電話鳴ってるよ?」 画面を見てガックリ肩を落とす。 ハァ… せっかくいいとこだったのに、佐渡(兄)め!! 「あの、少し出てもいいですか?」 ここで、出なければ 何十回としつこく かかってくるし、電源オフにすればアイツの事だから、家に押し掛けてくる。 まだ王子様との甘い時間を楽しみたいのに… 邪魔されてたまるもんですかっ! 「出てくれて構わないよ?って…あ!そうか。兄貴のスマホにかければいいんだ。今気付いたよ」 え?まさか、事前にかけてなかったんですか……? 王子様って、まさかのまさかの天然? あ、待って待って王子様…… 多分、今は かけない方がいいと思いますよ。 きっと…いや絶対、繋がらないから……
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