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とにかく冷静に、とにかく笑顔で、あまり刺激を与えないように…
私は、ひきつりながらも精一杯の愛想笑いで佐渡に言った。
しかし、佐渡は見下した目をして私に詰め寄る。
「仕方ねーだろ。鍵を女んとこに忘れてきたんだからよ。それにだ、シャワー貸したくなければ、これからは ちゃんと鍵をかけて寝ることだな。はい終了」
佐渡は、強制的に会話を終了させると勝手に浴室へ向かう。
ちょっと、また勝手に!
止めに行くが、佐渡はもう 真っ裸。
私には見る勇気がなく、そもそも刺激が強くて…。
空しく後退りしてしまった。
ま、負けた……。
そもそもですよ。女がいるなら、そこで寝て シャワー浴びればいいじゃないの?
そりゃあね鍵をかけなかった私も悪いけど、勝手に入る貴方に、偉そうな態度で注意されたくないわ!
とにかく、学校があるから支度しなきゃ。
シャワー浴びてる間に、そそくさと制服に着替えて髪をセットして準備満タンにさせた。
これで、シャワーから出てきた佐渡を家から追い出して そのまま学校へ行くという考え。
そして、佐渡は少ししてシャワーから上がる。
「タオルは?」
「白い棚の2番目の引き出しの中です」
「お、あったあった。げっ、キャラもんのタオルかよ」
なんでもいいでしょ。別に
そんなことよりも早く着替えて家から出てってよ。
「あー、スッキリスッキリ」
「それは、良かっ……… キャーーー!!」
「な、なんだよ!うっせー女だな 」
発狂するのには訳がある。
というより、発狂しても仕方がない。
シャワーから出た佐渡は、生まれたままの姿で腰にタオルを巻いただけのスタイルで上がってきたからだ。
男と付き合った経験のない私にとっては心臓に悪く、危うく失神寸前である。
「はや、早く着替えてください!」
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